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スマイルプリキュア22話『いちばん大切なものって、なぁに?』。
さらわれたキャンディーを取り戻すべく、メルヘンランドに向かった5人。
そこでジョーカーの追撃を受けた彼女らは、まったく歯が立たず、最後のキュアデコルを奪われ、さらにバッドエナジーまで吸われるという完全敗北。これを機に、これからとしてのプリキュアのあり様を、戦う意味と覚悟を今一度考えようというスマプリにして初のギャグ無しの気持ち悪いくらいどシリアス回。
みんなどシリアスだから、必殺技通じないのに、ばかの一つ覚えみたいに連打するのはやめろよとは言ってはいけないし、キャンディーの絶望顔にも決して、そう決して笑ってはいけないのである。
強力な敵、復活するらしいピエーロ様とやら、元の世界に戻れないかもしれない可能性と、さらわれたキャンディー、夢の国を救うことを天秤にかけ、決断を迫られるという局面で、前回のキャンディーの残した希望である短冊がドライビングフォースとなって5人が取るべき選択肢を選ぶという構成。
結局は、これまで通り、元の世界も大事、でもキャンディーも大事、だから戦うという選択肢を選んだわけだが、勢いでプリキュアになっちゃった5人(え?)が深謀遠慮を巡らせた結果として同じ場所に戻ってきたということに意味がある。
「それが私のウルトラハッピー」
「私達の、やろ?」
というベタなやり取りでお互いの心が同じであることを確かめ合った彼女らは、五つの光が導く未来、という合言葉とともに戦う覚悟、希望を見出す。といったところでEND。
集めたアイテムを全部うばわれる初代ふたりを彷彿とさせる展開で、そして折り返しでコテンパンにやられ、立ち直り回で、こうやって一話を裂くのは、まあそれなりに成功のひとつではなかろうか。
次回に期待。
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プリキュア21話「星に願いを! みんなず〜っと一緒!」
七夕回。短冊に、れいかは「道」の一文字。
まあ初代22話、モブの「かぞくが元気でいられますように」ほどではないか。
悪の皇帝ピエール様はあと2バッドエナジーで、メルヘンランドのクイーンはあと1デコルで復活する模様。
これまでのプリキュアにはなく、ひとつの話でプリキュアも敵も両方得する様子(あれ、アカンベェ出さなきゃ……おや誰か来たようだ)
まあ内容からすると、希望は絶対失わない、あきらめない、という話。
ビームの押し合いへし合いという「ふたり」時代を彷彿とさせる演出で戦闘シーンを終わらせる。
内容は薄くても勢いと演出で盛り上げるのはスマイルの十八番だし。
ところが、戦闘終了後、何かしら特殊な力があるとジョーカーさんはキャンディーを奪っていくのであった。
「みゆきたちとずっとあそぶくる」と短冊に祈りを書いたキャンディー。完全にヒロインポジション。
集めたアイテムを奪われるのも「ふたり」っぽくて懐かしい。
まあ、なんだかんだ言っても次回予告にすべてを持っていかれた。
ピースの絶望顔がやばい。少女アニメじゃねぇ。Anotherかと思った。
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20話「透明人間? みゆきとあかねがミエナクナ〜ル!?」
冒頭でみゆきとあかねが透明人間になってしまう。
例え姿が見えなくても5人は一つ──という話ではなく、透明ギャグでAパートを使ったのち、戦闘前には普通に姿が見えるようになる2人。
一体、なんのため見えなくなったのだろうか。
透明の敵に苦戦する5人だが、ビューティーが雪を降らして敵に雪を積もらせるという頭脳プレイ(?)で潜り抜ける。
身体に何かがつくと見えないものも見えるようになるという伏線のために、みゆきとあかねはAパートで透明人間になったのだろうか……?
いやぁ、すべてを捨ててギャグに走るというのは、スマイルらしいといえばスマイルらしいのだが。
そこがウケてるところだろうし。
次回は七夕ネタ。
中学二年生女子がお願い事を書いている中、
れいか「正しき道を行けますように」
次回に期待。
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『快盗天使ツインエンジェルOVA』を、2011年のアニメを見た後に鑑賞。
地上波アニメは、原作がパチスロだけに自由な作風ととんがったギャグが冴え、1クールでまとまったストーリーで、それでいてそれなりに盛り上がり、それなりに内容のある12話だった。
OVAもそんな感じかと思って、今さらながらちゃんと見てみたが、予想以上の出来だ。
テーマは「ツイン」。
人と人の繋がりの大切さを学ぶんだけど、失敗するところも、失敗から学ぶところも、内容も演出もガチだった。
ちゃんと成長のある戦闘。
だいぶ満足。
ovaだから八時半の人たちとは根本的に違うものなんだけど、同じ「ふたり」をテーマに扱ってここまで差が出るとはなぁ。
あとやっぱり「怪盗」とつくと興味を持っちゃう。
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19話。父の日回。
「名前の由来」を親に聞いこうという授業の流れで、みんなが父親の優しさを学ぶといった構成。
5人の中で唯一、父親を幼くしてなくした黄色担当やよいだけが、名前の由来が思い出せないという話の進め方になっている。
戦闘中に思い出し、父より受け継いだ優しさを力に変え、アカンベーをやっつける。
まあ、イイハナシには違いないんだが、綺麗なだけで特に工夫があるふうでもなく、かつ神作画のくせして戦闘シーンがいらない子。
やっぱり、戦闘中に「そんなことはありません!」だの、「あなたは間違っている!」だの説教の内容と、戦力バランスと、人間的成長がマッチしてないとプリキュアにする意味がないんじゃないのかと思う。
イイハナシに戦闘シーンをはさみました、というのじゃあ、何のための「戦う女の子」なのやらと。
しかも、何のギミックもなく、思い出して攻撃すれば倒せました、というんじゃあね、と思わなくもない。
それはそうとやっぱり
「わたし自分の名前が好きになったで!」
「名前は、わたしたちが親に最初にもらう愛情なんですね」
「永遠の愛情クル!」
と風刺が効きすぎてつらい。
しかし、スイートの特撮ヒーロー「太陽マン」、ハトプリのファッションショップ「Fairy☆Drop」、「来海先生」と、前作プリキュアネタが多いな。
そして、ラストカットでキュアサニーの新変身。
コンセプト通り、新しいことをする。