プリキュアレポート第16話『ライバルはえりか! 演劇部からの挑戦状です!!』。
『桑名のやきはまぐり事件』以来のえりかメイン回。
 8話ぶりにブルーフォルテウェーブが唸る今回の話に登場するのは、演劇部の高岸あずさである。
 すでに各地で「あずにゃんカワイスらぶらぶ〜」と生温かい人気を確立しつつある彼女は、えりかと同じく部長で、同じくらい自分の趣味に関しては情熱的な少女だった。
 どうやら服作りをメインの活動にしている今年のファッション部に並々ならぬ自身を持つえりか。
 でも舞台衣装作りなら演劇部の方が上だと自負するあずさ。
 二人の間にスパークリングな火花が散ることは言うまでもない。
 演劇部からの挑戦状! 今度の大会の衣装はファッション部が担当、そして演劇部の鼻をあかしてやる!
 これって挑戦状なのか? いや、落ち着いて考えれば挑戦状ではないが挑戦を受ける形になってるからいいのか。
 演劇部の手間と経費をファッション部が負担してるだけな気もするがそんなことはなかったぜ! これは挑戦状なんだぜ!
 さて、自分の部活に気合いを入れるえりかとあずさ。
 プロを目指すあずさの指導は厳しく、徹底的で、なおかつ自分の意見が正しいと思っちゃうから他の部員の意見なんて端から聞いちゃいない。
 それに対して民主主義ファッション部。ずば抜けたファッションセンスを自負するえりかは、しかし他の人と意見が違ってもみんなの意見を聞き、総合的な判断を下していた。
 同じようで違うふたり。そう、これが今回のトリックの鍵なのです(ニヤリ
 そんな部長についに堪忍袋の緒が切れた演劇部員一同は退部を決意してしまう。
 好きなものに突っ走るあずさは、えりかと同様、よく周りのことが見えなくなる。
 えりかも自覚しているようです、少々ウゼいことを……。
 屋上で一人発声練習をする彼女は、一人になってしまったことを、ようやく涙で悟るのでした。



 そんなあずにゃんのションボリした心はデザトリに。
 スーパー波動砲を持つ今回のデザトリアンに苦戦するプリキュア×2は、コブラージャの「人間はバラバラだ」という言葉を耳にする。
 人間はバラバラ──実はこれが今回のトリック。
 あずさはみんなバラバラなのを知らなかったからこそ、みんな自分と同じ考えだと思って突っ走ってた節があった。
 ファッション部のデザインを見ても「どう見たって貴婦人じゃないよ、みんなもそう思うでしょ」と、あるいは練習中でも「みんな優勝したくないの?」と情熱ゆえにワンマンになってしまっていた。
 でもえりかはバラバラなのを知っていた。だからこそ、バラバラなみんなで一つの物を作る楽しさを理解していたのだった。
 トップダウンボトムアップの違い。
 バラバラだからこそ生まれる楽しさがあると、えりかが始めて説教をする。
 途中で「そんなことはありません!」ってブロ子が乱入してこないかとハラハラだったがそんなことともなく、やがて体育館にブルーフォルテウェーブが煌めき、青い花が一輪、咲き誇るのでした。
 まあブロッサムもこっそりお尻パンチしてたし、いいんじゃないだろうか。
 というか、今回のテーマはオールスターズ1のテーマと被ってますね、はい。
 90分バトル映画の内容を30分でやってしまうなんて、HC恐ろしい子……。



 みんなで協力して作った衣装をまとうことで、全員で一つのものを作る楽しさを知ったあずさ。
 演劇部、感動の再復興です。



 さて、問題はなぜ冒頭でなみなみの妹るみるみがいたかという点に帰着する。
 土曜日だったのだろうか? 笑顔が一番とか言いながら非行少女に突っ走っていくのか?
 まったく、学校に勉強と関係ない幼女は持ってきちゃダメって先生に言われたでしょ!



【次回予告】プリキュアの美しき魂、だと……!?
 プリキュアのパロが飛び交うHC、それはその名の通り、プリキュアの魂を受け継ぐ者(ハートキャッチ)。
 なんとなく外見にとらわれず、中身を……的な話みたいだけど、今にも初代のマーブルスクリューが飛び出しそうな印象。
 来週は、美しきプリキュアの魂が邪悪な心を打ち砕く様をとくと拝見させてもらいましょう。