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いちおう、セーラームーンSをだいたいすべて見る。
なぜSかというと、セーラームーンの中でも最もセーラー戦士が多く出てくる作品の一つだからだ。
今までのムーン、マーキュリー、マーズ、ジュピター、ビーナス、ちびうさの六人に加え、ウラヌス、ネプチューン、そしてプルートとサターンが登場する。
それも、セーラー戦士の中でもタリスマンを巡っての争いがあり、セーラー戦士=正義という図式が必ずしも成立しなくなる作品でもあった。
しかし、ドラゴンボールのフリーザ編のごとく、壮大な争奪戦はない。
ところが、タリスマンがピュアな心の中にあるということで、争奪戦→ピュアさ、純情さという概念に結びつけ、見事にラブコメ戦闘ものを実現させている、という評価も可能だろう。
さて、私はセーラームーン全体に対して論じようとは思っていない。
というのも、セーラームーンと一言でいえど、どうしてなかなか複雑なものであり、一概にはいえないからだ。
そこで、ここではセーラー戦士というテーマのごく一部をとりあげたい。
1.セーラー戦士の魅力は何なのだろうか?
もちろん、これも一概にいえるものではないが、ここでは気づいたことの一部を書く。
まず、キャラや名前にオリジナルがあること。言わずと知れていて、天体の名前──それも太陽系の惑星の名前だ。
これでキャラの統一感が生じる。これをギャザリングと名付けた。
カードみたく集めたくなるというわけ。
設定、能力、新キャラの必然性と期待が同時に生まれてくる。いい手だ。
2.私の好きなセーラー戦士は誰だろう?
これは1に比べてはるかに難しい問題である。
なぜならば、セーラー戦士の魅力の一つにギャザリングがあるからだ。
みんな揃っているから魔性の魅力が生まれるのだから。
『みんな大好きなのっ❤』と叫ばざるを得ないのはその性質があるがゆえである。やむなし。
しかし、ここで特定のセーラー戦士を特定するならば、内惑星組と外惑星組に分けよう。なぜならば、性質と傾向、キャラの立ち位置が異なるからだ。しかし、今日は書きすぎなので内惑星だけで。
・内惑星の誰か?
無論、セーラーマーズを出さずに誰を出そうか。火野レイ。
単純にいうと、黒髪、かつ、ロング、かつ、ストレート→Q.E.D.なんだけど。だめ?
だめっぽいからここでは別の観点に注目しよう。
それは、彼女が、いわゆる、巫女だからだ。
勘違いしないでほしい。私は巫女好きではない。
ただ、巫女にはある特性がある。それは、家が神社である。まずこれだけで非凡な設定であると言わざるを得ないだろう。
ただ家に遊びに行くのが、しかし、(広い)神社に行くことになるのだ。(実際、Sでは皆の集合場所として機能している)
この広い家、異能を司る場所というのがどれほど、優れたフィールドだろうか。
お城に行くよりも、ファンタジー世界に行くよりも現実的で、負けずと劣らず柔軟なのだ。
つまり、こういうキャラ設定は世界感を生みやすい。別の魅力と、あらゆる可能性を秘めている。
これはミステリーにおける伏線と同じではないだろうか。
ただの血痕だが、こんなにも奇妙な場所にあることが不思議で、魅力的なのとまったく同じだ。
こういう意味もあって、レイちゃんは魅力的なのだよ。