プリキュアレポート11話くらいから22話、回想版。
 忙しかったり忙しくなかったりでかなり放置し続けていたPR(プリキャアレポート)。
 本編が早くも前半を終えようとしているのをただ指を加えてことの成行きを見守っているわけにもいかず、こうして暇を見つけて筆を取っているという寸法である。
第11話『アチョー!! カンフーでパワーアップします!!』
 記念すべき10話はHC最大の特徴ともいえるダークプリキュアとの初陣であった。
 絶体絶命の危機を凌いだものの、それはいつ再び襲ってくるか分からないダークプリキュアの脅威から逃れたことにはならない。
 まるで歯が立たなかった強敵に不安を募らせるつぼみはそんなとき、カンフーをやってる酒井くんに一目を置きます。
 いつ敵に襲われてもいいようにカンフーシューズを常備している健全な厨二の彼は「俺が本気でカンフーやったらどんな格闘技もかなわないぜ」と教室で大口をたたく。
 それを本気にしてしまったつぼみは、来る第二次ダークプリキュア戦に向けて心眼を鍛える覚悟を決めたのです。
 しかし、酒井くんが本物のカンフーマスターでないことくらいえりかじゃなくても分かるはず。
 むしろ、彼はその純粋過ぎる厨二成分ゆえ、同級生からからかわれていたのだった。
 ところが、彼にはカンフーマスターを止められない事情があった──それは、自分をカンフーマスターと信じ込んでいる弟の存在。
 弟を失望させたくない半面、本当に強い者を相手にするのは怖い。
 そんなアンビバレンスを、弟の方をデザトリアンにすることで表現した第11話。
 そしてマリンダイナマイト誕生の回であることも忘れ難い。
 考えるな、感じるんだ。そんなことをまじめに真似できるつぼみがえらい話である。
 というかみんな、戦い方が必殺技の連続だなぁ。
 しかし、何度見直してもクモジャキーの「待っていたぞ、プリキュアッ!」っていういいかたが面白すぎるんだけど。

第12話『ドッキドキです! プロポーズ大作戦!!』
 吊り橋効果の話。
 いろんな意味でどうにかなんないのかと思う出来ではあるが、実はOPにも登場している新商品《ハートキャッチムービー》の最大のCMだったのだ、12話は。
 というか心に悩みがありすぎる奴を対象にするのはやめろよ、戦えてねぇじゃねえか。
 そして、竹やりで果敢にもデザトリアンに立ち向かう妖精たち……というわけではない。
 ああいう局面こそダイナマイトを使えばよろしいのではないか。
 せっかくマリンvs海だと思ったのに。海の敵って、5じゃ相当強い部類だったから期待してたのに。
 敵と一緒に浄化されるマリン。フレッシュにもそういう話あったなぁ。
 内容はなかった気がするそんな12話。

第14話『涙の母の日! 家族の笑顔守ります!!』
 イイハナシダナー。そうそれでいいじゃない。
 なんだよ、なんで最近のHCはお父さんが空想の植物を追っていなくなったり、お母さんがいなかったりするの? ねえ、日曜日の朝だよ!?

第15話『なんと! 生徒会長がキュートな服着ちゃいます!!』
 明堂院さつきのサンでシャインなプリキュア疑惑が高まる今日、彼女は15話にして二回目のメイン登場を果たした。
 レモンの香りがぷんぷんするデザインを基調とする彼女のカラーは黄色。さっそく黄色いドレスに見入ってます。
 今回のテーマも実に分かりやすい。
 家を背負うさつきの成長。だから今回の敵は表札。この分かりやすい演出がHCの醍醐味ビッグトラッシュ。
 兄はいつから覗いていたのだろうとか、何度も見直すうちにさつきの兄がどんどん変態お兄ちゃんに見えてくるのは、理之貫が心の奥で変態お兄ちゃんの存在を求めているからなのだろうか。
 家のため、兄のために始めた武道はつらいことの連続。
 しかし、同時に武道への楽しみもあった。さつきはそれを改めて知る。
 武道をやるのは誰のためでもない、自分のため。
 さつきの成長と、道場破りさんの成長、おまけにサンでシャインな伏線を交えた第15話。いいんじゃない?

第17話『認めてくださいっ! 私たちのプリキュア魂!!』
 美しきプリキュアの魂キター。そして「お兄ちゃーん」回。
 先代プリキュアゆりさんは現役にはお厳しい。
 自のときは一人でプリキュアしてたのに、最近の若い者ときたら二人でプリキュアなんぞをやっておる……という感じなのでしょうか。
 理之貫らからの感覚だと二人でやるのがベースなのですが、ゆりさんったらそうじゃないらしい。
 彼女が5GoGoの時代に生きていたらどうだっただろうか。プリキュアチームは6人もいたというのに。
 とにかく、彼女は二人をプリキュアと認めようとしなかった。
 そしてキュアババアから「プリキュアとして強くなるだけが本当に大切なことなのかしら」と言われる。
 そう、今回はスタッフがプリキュアそのものの概念について語ろうとしているのではないかと理之貫は深読みする。
 最強に強かったが今一つ微妙なSS。
 まあ強かったけどすっごくだめな5GoGo。
 戦闘のエフェクトだけがプリキュアではない。
 どういうプリキュアが、自分でどう考え、何をし、どんな成長をしていくかがプリキュアとして大事なのではないか──理之貫の耳にはそう聞こえた。
 だてに長年プリキュアを見てきたわけじゃない、さすがキュアババア話せる!
 さて、強さよりも大事なこととはなにか。
 デザトリアンの声の中に、二人はその答えを見つけた。
 ゆりさんに認められるために戦っているわけではない。
 ジャンプ漫画さながら努力友情勝利のため、砂漠の使徒からみんなを守るためにここに立っていることを思い出したのだった。
 強さよりも大事なこと──それはみんなのことを思うこと、つまり心。すなわちハートキャッチなのです!
 すんげー強いゆりさんの力を借りながらも二人はデザトリアンにフォルテッシモを穿つ。
 同じく親父に認められることだけに必死なってしまっていた正弘さんの悩みも解決。一件落着。
 だが、めっさ強いゆりさんがプリキュアに戻ることはない。
 前の戦いで彼女の心も身体もボドボドになってしまっていたのだから。
 夕日を背景に、二人は一人去るそんな先代の後ろ姿を見守るのだった。

 そして、予告神回。もう本編なんてどうでもいい。

第18話『最強伝説! 番長登場、ヨロシクです!!』
 私たちは、ふたりでプリキュアよ!!
 分かってるなスタッフ、HC最大のクライマックスは開幕早々第4話であることを。
 だいたいプリキュアは22話あたりでピンチ回をやったりするものだが、その前に必ずといってもいいほどケンカ回が入って来る。
 そもそも第1話から半分ケンカ回をやっているHCのふたりはすでに仲良子良し。
 そんなふたりのケンカ回がどれほど過酷で残酷な話になるかと一同恐れていたが、まさか漫画でやってくれるとは今回のスタッフの才能はKAMIの域に達していると言っても過言ではなかろう。
 ああ、もうそれだけでいいよ第18話。
 見た目は怖いが、お母さん想いの番くん。
 今回のテーマは番長漫画そのもの。そういう話。
 いやー、しかし、ベタ塗りとかトーンとかでよかったよ。
 いきなり「まずはフォトショのインストールからだ。俺が書いた漫画を二人はダスト除去とシャープを頼む!」とか言い出したらどうしようかと思った。

第19話『涙の嫁入り! 父の日の記念写真です!!』
 えりかが髪をくくっている……それだけですごい回だ、今回は……ゴクリッ。
 一周休んで第19話。来るべきサンシャイン回に向けてスタッフには充分に鋭気を養ってもらいたい。
 嫁ぐ娘と父の話。
 父の娘への愛は色あせていない。
 家族の愛を映した写真がそれを物語っている。
 そして、そんな家族があったからこそ、えりかの家族もまたあるのだという。
 えりかの母の、お父さんと馴れ染めと写真を絡めた話。
 えりかの父親回、すなわちえりか回。
 父の話、そしてそれを愚弄するコブラージャを前に、二人でプリキュア大爆発。
 ふたりで手を繋いで必殺技を出す瞬間が懐かしいと思った。
 心の種を使って戦ったのは今回が二回目。あんまり活躍しないなぁ。
 まあ『のび太結婚前夜』的なイイハナシ。
 最後の写真とかも結構綺麗にまとまっているんじゃないだろうか。
 しかし、あいかわらずBGMが一番持ちあがるのは排泄シーンなのだが……。

 そして、三人目の妖精!
 しかも赤ちゃん──これはポルンの後継者か……おい、スタッフ分かりすぎだろう。

第20話『第3の妖精! ポプリはかわいい赤ちゃんです!!』
 ラスボス(仮定)デューン登場。『デューン/砂漠の惑星』から命名された模様。
 つぼみたちの集めた心の種が実り、心の大樹が元気になっていた。
 その結果、新たな妖精が生まれた。この調子でプリキュアの大量生産も夢じゃない。
 逃げ出した妖精と心の大樹を追い、砂漠部隊も始動。
 プリキュアの元に行ったサソリーナを叱るくせに、プリキュアの元にいると思われる妖精を追うように二人に銘じるサバーク博士。事態の悪化に少々錯乱しているようです。
 さあ、今回の被害者はかりんちゃん。
 ももかが親の七光りでモデルになったと捕えている彼女は、モデルの仕事も、ももかと関わっていくのもつらい。
 そんなある日、ももかのきついアドヴァイスに、彼女は仕事場を飛び出してしまったのです。
 そこでデザトリアン。いつものパターン。
 だが、デザトリン退治なんてもう日常茶飯事。ブロ子とマリ子の敵じゃない。
 ところが、なんと今回は三幹部が全員動いていたのです。
 ああ、フレッシュのときみたいに三幹部が全員協力して戦うのはこの一話っきりなんだろうなぁ。
 そんな大ピンチになんと三人目の妖精登場!
 黄色い妖精さんは、なんと守りの力を持っている様子です。
 あぁ、なんかもうルミナス大先生の二の舞になりそうで怖い。
 頼むから、相手の氷をペチペチとチョップしたあげくに逆にお手手が痛い、なんてことにはなってほしくない。ましてや『簡単ルミナス』なんてなおさらだ。
 とにかく、幹部二人を撃退したらもうこっちのもの。
 華麗にデザトリアンを撃破し、華麗にかりんちゃん問題も解決。
 ももかさんが心配してくれていたという内部に触れ、彼女は内側の大切さにも気付いたのかもしれません。
 さあ、三人目のプリキュアにドッキドキ〜!